transit

San Francisco

よく晴れた二月の水曜日、鋪道に残った雪が、
午前の空気をいっそうピカピカに磨きあげている。
ダウンタウンのスターバックスコーヒー。
南側の陽のあたるテーブルで
母親と小さな男の子が並んで本を読んでいる。

先程、 ふたりは、2ブロック先に新しくできた
3階建てのブックストアで、お気に入りの本を仕入れてきたばかり。

母親が買ったのは、メキシコの建築家ルイス・バラカンの小さなサイズの写真集。
男の子が買ったのは、CG映画「モンスターズ・インク」のストーリーブック。
ふたりは、Art Farmerのかかるあたたかな店内で
キャラメルマッキャートのMサイズとSサイズを飲みながら
ゆっくりとページをめくっている。

編集の仕事をしている母親は、
朝、 なんだか急に休みたくなって職場に電話を入れた。
ちょうど仕事の谷間だったので、細かな用件だけ部下に頼んだ。
眠そうな顔で、シリアルをたべている息子に
「今日学校休めないの?」と聞くと
「休めるよ」というので、ふたりで出かけることした。

本をひとおおり読み終えると、ふたりは、
これから、どこに行こうか話し合った。

男の子が、飛行機が見たい、というので
ok、サンフランシスコ空港までドライブしょう、と母親が言って席を立った。

フリーウェイを フォードフォーカスで走しりながら、
ふたりは、Princeのアコースティックアルバムを聞いていた。
おおらかなメロディとキラキラとしたアコースティックギターが、
あたたかな二月の車内を満たした。

男の子が、飛行機を見たらジャパンタウンのヤキニクに行こうよ、と提案した。

日ざしはすっかり高くなり、
街に戻る頃にはもう雪はなくなっているだろうな、と母親は思った。




San Francisco

[PR]
by ayu_livre | 2008-02-11 10:27